看護師さんは、今日も命を預かる現場で高いストレスの中、懸命に働いてくださっています。
昨日まで元気に働いていた人が、突然ベッドから起きられなくなり、休みがちになる。そして、休みと復帰を繰り返し、次第に心を病んでいってしまう。そのような「燃え尽き症候群」や「うつ病」になってしまう方が増えています。

ある施設では、5年間で7割から8割の人がメンタルヘルスの問題で退職していきました。体を壊して休んだ人は、2割から3割です。メンタル不全の回復には時間がかかります。3ヶ月の休職後、復帰したあとも、休職、復職を繰り返し、最後には「自分が勤めていては仲間に迷惑をかけてしまう」と、退職を選んでしまう方もいます。

多くの方が、そのような段階になるまで、自分が良くない状態であることに気づきません。メンタルヘルスの問題は、早期発見ができれば半年ほど時間がかかっても必ず復帰できます。
早期発見のために、「もえつき症候群」や「うつ病」などの症状について知っておいていただきたいと思います。

● もえつき症候群の初期症状

「もえつき」は、少しずつ症状が進行していきます。自分でも何かおかしいと気づきながらも、自分がどうにもならなくなるまで周囲にひた隠しにします。そのため周囲が気づく頃には、深刻な事態になっていることが多いです。

● 勤勉で熱意ある人ほどなりやすい

「人を助ける」仕事をしている「援助職」についている看護師・教師・医師などに特に「もえつき症候群」が起こりやすいと言われています。
意外なことに真面目で、勤勉。やる気と熱意に溢れ、周りからは大変有能と評価を受けている人ほどもえつきてしまう危険があります。「有能」であるからこそ、本人も周りの誰もがその人の不調に気づきません。
「もえつき症候群」で退職をせざるを得なくなるまでいってしまう前に、もえつきの初期症状やプロセスについて周囲の誰かが知っていれば、救ってあげることができるかもしれません。

● 転職を考えてみる

頑張りすぎて、一生看護師ができなくなってしまったらとても悲しいことです。
免許があれば、いつでもどこででも仕事がすぐにみつかります。一度、ゆっくりと休んで、専門家を受診し、以前の自分を取り戻してから再スタートしても遅くはありません。
元々、意欲が高く、有能な看護師さんですから、現場に出ることができればあっという間に感を取り戻すことでしょう。
「倒れるまで頑張りすぎてしまう自分」から、「自分の心にも耳を傾けて、自分を追い詰めてしまうクセを治す」。新しい自分になって再び看護師として復活しましょう。
初めて転職をするという看護師さんは、看護師がはじめて転職する上で気をつけることがいくつかあるので、前以て調べておくといいでしょう。

まずは療養が大切です。

このままいくとまずい。そう感じている方は、転職を視野に入れてみることも必要かもしれません。体に負担がかかりすぎない勤務体制へ一度転職して、心と体に力が戻ってから、以前のような職場で働くこともよいでしょう。

自分で自分を壊してしまう前に、一度セルフチェックしてみませんか。

◆ 心の耳
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